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三木 一弘; 井戸村 泰宏
no journal, ,
高速粒子の物理の理解は将来の燃焼プラズマに重要である。特に、粒子損失の制御がITERにおいては重要な課題である。本研究では、full-fジャイロ運動論シミュレーションコード(GT5D)を用いて、高速粒子により駆動される測地線音響モード(EGAM)の線形モード特性を調べた。bump-on-tail分布を持つ粒子ビームを入射して、一様な温度と密度の初期分布と軸対称の条件で数値計算を行った。これらの計算には磁力線方向の速度に対して十分な解像度が必要であることを発表した。ビーム強度があるしきい値を超えると、GAMのおよそ半分の周波数の振動モードが成長する。得られた振動モードの周波数と成長率は固有値解析から得られた理論値と整合した。固有値解析からは安全係数(q値)を変えた場合に励起するモードが分岐することが予測され、q値が低い場合はGAMが成長モードになることが示された。有限軌道幅効果の考慮により固有値解析から見積もられるEGAMの成長率は低減する。次に、より一般的なビーム分布(slowingdown分布)を用いてEGAMのシミュレーションを行った。この場合もEGAMの成長が観測された。得られた成長率や振動数はDIII-Dにおける観測結果やハイブリッドコードによる成長率の評価と整合した。
前山 伸也; 渡邉 智彦*; 井戸村 泰宏; 仲田 資季; 矢木 雅敏; 宮戸 直亮; 沼波 政倫*; 石澤 明宏*
no journal, ,
IFERC-CSC研究プロジェクトの一つHBGKの平成26年度利用成果を報告する。本プロジェクトでは高ベータ値プラズマにおける電磁的乱流の特性をジャイロ運動論的シミュレーションを用いて解析した。これにより、プラズマ形状により乱流輸送レベルが遷移する閾値圧力が変化すること、および高圧プラズマにおいて電子スケール乱流の影響によるイオンスケール乱流強度の増大が起こることを新たに発見した。
奴賀 秀男; 松山 顕之; 矢木 雅敏; 福山 淳*
no journal, ,
ITERを含む将来の大型トカマクでは、ディスラプション時に発生する大量の逃走電子が壁や炉内の機器と衝突することによる装置の損傷が懸念されており、逃走電子発生のメカニズムを明らかにすることはディスラプション制御手法を開発する上で重要な役割を果たす。また、ディスラプション時における逃走電子生成過程では、熱クエンチによる急速な温度変化が非熱的な現象を引き起こすため、これを考慮した運動論的な逃走電子生成シミュレーションが必要とされる。本研究では、運動論的輸送コードであるTASK/FPを用いてトカマクプラズマの熱クエンチ時に発生する逃走電子の生成過程を速度分布のテイル形成の影響を考慮した逃走電子電流と誘導電場の時間発展を自己無撞着に解析し、運動論的な効果を考慮して評価する。
松山 顕之; 相羽 信行; 矢木 雅敏
no journal, ,
ITERおよび核融合原型炉においては、ディスラプションによる熱負荷、電磁力負荷は装置設計および運転シナリオを決めるうえで最も重要なファクターの一つである。このため、ディスラプション時の急激なプラズマの崩壊および垂直移動現象(VDE)を模擬するためのシミュレーションコードの開発が急務となっている。講演では、自由境界MHD平衡コードおよびMHD方程式の時間発展解法、および渦電流解析コードなどを統合するためのシミュレーション技法およびコード開発の現状について報告する。
宮戸 直亮
no journal, ,
トカマクプラズマのイオン温度勾配(ITG)駆動乱流のシミュレーションにおいて、ITG乱流が非線形飽和に達した後で、ペレット入射を想定したポロイダル面で局在した密度および温度の変調を与え、プラズマの過渡的な応答を調べた。簡約化磁気流体力学(RMHD)コードを用いて同様な密度変調を与えた時に見られたようなプラズマの非局所的な応答は見られなかった。
林 伸彦
no journal, ,
IFERC-CSC計算機を用いたプロジェクトJIMS(JAEA Integrated Modeling code development for Simulation of JT-60SA, ITER and DEMO plasmas)の最近の研究成果について報告する。特に、新古典トロイダル粘性によるトロイダル回転の統合モデリングとITERのトロイダル回転予測、不純物輸送の統合モデリングとJT-60SA高ベータ定常運転プラズマにおけるダイバータ熱負荷低減用入射不純物の炉心蓄積量評価とプラズマ性能への影響、JT-60SAにおけるプラズマ電流立ち上げシナリオシミュレーションと理想MHD安定性評価について報告する。
井戸村 泰宏
no journal, ,
本講演ではIFERC-CSC第3期プロジェクトGT5DISOの研究成果を概説する。規格化装置サイズや加熱パワーの異なる水素プラズマと重水素プラズマにおけるイオン温度勾配駆動乱流のfull-fジャイロ運動論シミュレーションを実施し、核融合炉心プラズマの閉じ込め特性の水素同位体依存性を評価した。この結果、規格化装置サイズの変化による水素同位体効果については実験の閉じ込めスケーリングを再現したが、イオン質量の変化による効果は明確に確認できなかった。このことから、水素同位体効果を完全に再現するには電子系乱流を含むシミュレーションが必要であることがわかった。